流通&IT/グラシス

流通モデル考察

流通業モデル考察:SPAと旧来型①

旧来型の特徴:多段階で多くの在庫拠点がある

店舗型(ECなし)の事例

以前から言われていることだが、卸の部分が二次・三次になるのはあたりまえで、段階が多く在庫拠点も多い。散在する小さな村々までキメ細かく商品供給するには便利な手法ではあるが、これを業種ごと・商品種ごとに運用すると、人件費・物流費・取引事務費は確実に多く掛かる。


SPA型の特徴:シンプル&在庫拠点はひとつ

ファブレス(EC)ありの事例

小売業がメーカーに製造委託する形式が多い。在庫は全品買取し小売業が管理するので、管理レベルとしての在庫拠点はひとつになる。従来、卸売業が管理していたキメ細かい配送物流や在庫管理の実務は委託される場合が多い。流通に掛かるコストの多くを削減することができるが、在庫リスクが大幅に増える。 (PBもこれとよく似た特徴を示す)


考えてみよう

ユニクロ・ニトリ・ジンズと、今元気の良い小売業は、みんなSPA型である。カジュアル衣料・家具・眼鏡と業種が違うが、絶好調の要因で共通していることは、そこそこの品質の商品を手頃な価格に引き下げて大量に販売していることである。視覚化すると、

低価格が前提のようなモデルなので他の価格ドメインには影響が出にくいが、中級品と呼ばれる商品群は代替されて売れなくなり、高級品だけが残って全体として二極化しやすい状況になっている。


そこで、

  • **旧来型で、SPAに対抗し低価格帯で闘うモデルはないか?
  • **旧来型で、低価格ドメイン以外で利益を上げられるモデルはないか?

を考えてみよう。


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