流通モデル考察
流通業モデル考察:SPAと旧来型③
旧来型の逆襲:低価格以外の価値で勝負
低価格以外=高価格or中間価格帯
- **中間価格帯はボリュームゾーンには違いないが、競争も激しく低価格帯に浸食されているため、将来性に疑問が残る
- **高価格帯の主たる購入層が50歳以上のシニア層にあたるなら、人口は微増予想であるため、シェアを獲る意味が出てくる
高級品購入=高付加価値・ステータス・盲目的ファンなどが条件になりそうである。
流通プロセスモデルの問題ではない?
高級品市場は、それを供給する流通プロセスには関係なく、商品そのものに与えられる消費者による付加価値評価が大きく影響することは明らかである。しかし、高い付加価値を維持発展させるプロセスがない業界も存在する。そこは再構築しなければならない。
完全なDCM型への転換:付加価値で一番を維持し続ける
最適供給型では効率が一番になってしまう
SCM的な考え方は、消費者が望むものを、効率を最適化したプロセスで供給しようとしてしまう。これでは付加価値の最大化はできない。常に、付加価値が進化できる仕組みが必要と考える。
業種ごとに専門プラットフォームで効率化
業種×商品ごとに専門化して深掘り
付加価値の進化には深掘り・こだわりが必須であろう。ならば、商品種を絞り込み、徹底的に消費者と提携し、共同で新商品・新付加価値を生み出すモデルがふさわしい。業種ごとの特徴を包含した、商・物・情を支えるプラットフォームとしての仕組みを作るべきであろう。(日本的商習慣をかなり壊すし、小売と卸はいずれひとつに統合されるモデルなので、現在は存在しないと思う。規模がなくともSPAと同等の効率が出せるモデルでもある)
考えてみよう
絶対に無理・・・かも
- **業種用専門プラットフォームを作って、日々のオペレーションプロセスはそこで協同化して効率化する考え方は、まさに呉越同舟。中小企業が大半の流通業においては、協同化の調整自体が絶望的だと言われるだろう。
- **しかし、協同化の範囲をきちんと線引きできれば、無茶なM&Aをせずとも、こだわった商品流通を小規模でも運営しうる仕組みができる可能性がある。世界一細かい点にこだわり、きめ細かいサービスをもとめる日本人にはこちらの方が向いていると考える。
- **問題はマーケティングと商品開発になるだろう。大手小売がPBでジタバタしている状況では、高付加価値を生み出し続けるマーケティング力と商品開発力は、かなりハードルの高い目標になるだろう。
ひとつの私的結論としては、
上記の「業種用プラットフォーム」を、大きな意味でのクラウドシステム化でき、物流を3PLに委託して効率化できれば、超小型SPAと呼べる仕組みが運用可能と考えている。効率化をベースにした、バラエティに富んだ高い付加価値の提供、言わば百花繚乱状態になれば、シニアの高級品市場にも、多くのコダワリブランドが乱れ咲く状況が作れるのではないかと考えている。
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