この判断を消費者ができないことが、メガネ屋不信の最大原因です。自分の買ったメガネは、はたしてマトモなのか? 払った金に無駄はなかったのか? これらの疑問に、メガネ業界はキチンと答えたことがありません。
商品単品ごとに説明します。どうしてかの理由は異論もあるでしょうが、私の結論のみ書きましたので、参考としてください。
品質:2017年2月時点において、日本人が掛けるという条件であれば、made in Japan が一番です。続いてドイツ・オーストリアというところ。あとはドングリの背比べです。
話題の中国製については、輸入当初と比べるとかなり良くなっています。たぶん、一般の方には国産と見分けがつかないでしょう。我々プロは、いろんなフレームを見てきているので、同じようなデザインでも品質の差を見分けられますが、皆さんには無理でしょう。(実は、国産ブランドでもダメなのがあります。)
そのフレームメーカーは、
輸入品、特にヨーロッパのものはデザインを買ってください。それ以外が平均点を下回っていたとしても価値はあると思います。デザインも品質でしょ?
高額である理由がいくつもあり、かつ相場というものが無くなってしまったので、全く同じフレームでも30%以上の価格差が存在します。
また、洋服のように、シーズン初めが高く、バーゲンで安くなると言った法則もありません。何が適正かの基準はありません。少々乱暴な方法ですが、以下の2通りの方法を紹介しておきます。
品質:まず最初に、決定したレンズを本当に取り寄せてフレームに収めたのか?
特注ならば、レンズ袋の表記などで、ほぼ確実に確認できます。店側に説明を求めてください。
レンズの品質は、我々プロでも順位付けできません。この場合ならこれっ!としか言えません。私もいろいろ試しましたが、絶対に買うなというメーカーはありません。判断基準は、今使っているメーカーに不満があるかどうかです。もし、あるなら、試しに別メーカーを買う価値はあります。逆に気に入っているなら、変更しないほうが無難です。
一流メーカー品だから高いかと言われると・・・実は原価は逆だったりします。
レンズ価格については、どうにも説明しようがありません。全くと言って体系がないからです。同じ金額で買えるレンズに、店によって2ランク以上の開きがあると、何が高級で、何が良いものかは全然言えなくなってしまいます。
ましてや、レンズ半額などと書かれると、もう言葉も出ません。この業界は自らをおとしめることが好きなのかと疑いたくなります。
この業界は、小売を含んでいるにも関わらず、価格設定について無頓着と言っていいほど無計画です。クルマの世界で、フィットとNSXは明らかに違うと認識されており、どこで買っても価格はそれなりの範囲に落ち着きます。消費者は、自動的に「適正にコントロールされている」と感じるはずです。
こんな、当たり前の感覚が眼鏡業界にはありませんでした。
ジンズを筆頭とする低価格業態は、メガネは1万円以下で作れて、その他の眼鏡屋は高く売っていると思わせかねない状況を作ってしまいました。この認識も極端で正しいとは言えません。
商品ごとの適正な価格とは何か? それを消費者に認めてもらうにはどうすればいいか?
こんな話がこの業界ではできていません。
大変申し訳ないのですが、本当に良いモノを御紹介できるベースがない業界なので、
消費者の皆さんひとりひとりの眼力に頼るしかない状況が続くと思ってください。