メガネ業界に16年従事した 流通&ITコンサルタントが書いた メガネ評論

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メガネの価格は高いのか?

2013-12-11

メガネの価格は高いか? 消費者側から検証してみよう。

原価からすれば、メガネはメチャクチャ高い!!
小売店における通常の粗利益率は60~70%である。なんと儲けが7割!!
これを聞いたら、もっと安く出来るだろ!! と思われるでしょうね。

では何故高くなったか。
メガネは店舗でフレームとレンズが組み合わされるので、組み立て代はどうしても掛かり
ます。これに付随して、測定、フレーム・レンズ選択アドバイスなど、少なく見積もっても
1時間以上の時間が1本のメガネに費やされます。実際に、一人で売って一人で組み立て
を行うと、1日3本がいいところでしょう。

ここで質問。
親父さん一人でやっている理髪業は、1日3人のお客さんでやっていけるでしょうか?
単純計算でも月商が30万円くらいにしかなりませんので、到底無理です。
メガネ屋は、これ以上の客数を取ることができないので、かなりの金額が必要なのです。

その上、昔のレンズはガラスが主流でした。組み立ての時に簡単に割れたのです。
でも、この経費はお客さんに請求できませんよね。つまり、バッファが必要だったのです。

結果として、利益率7割という、とんでもない数字が当たり前になってしまいました。
時代は進行し、チェーン店・安売り店が、この高コスト構造を改善することで値段を下げた
と言いたいのですが、なんと、利益率はそれほど変わっていません。

躍進中のスリープライスショップも、中国などで安く作って、比較的若い販売員で店舗を構成することで、
原価を落としてあの値段です。それでも利益率は70%以上あるはずです。

例えば、アルマーニの気にいったフレームで、まともなレンズを入れて、好きな色に染め
た、超お気に入りのメガネを、正確な測定・フィッテイング・アドバイスと共に、気持ちよく
買える。しかも、価格はデパート売価の半額・・・

そんな、良いものを安く買う仕組み。実はまだできていないのです。

作れるかって? もちろんできます。
それには、現在の眼鏡業界を一度チャラにするくらいの改革をしないと無理です。
もちろん、消費者にも、メガネの価値をシッカリと認識してもらわなくてはなりません。
払うべきお金はキッチリと払っていただきます。例えば調整料・加工料・サービス料など。

それでも、たぶん、気に入ったメガネを今よりは多く使ってもらえると思います。
理論的にはできるんです。そういう仕組みが・・・・・・。