メガネ業界に16年従事した 流通&ITコンサルタントが書いた メガネ評論

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メガネの価格はどう決まるのか?

2013-12-11

価格の決まり方は他の小売業と同様に二通りです。

ひとつは、小売店側の都合です。どのくらいで売ったら儲かるか、店が維持できるかが
第一義になります。世の中は不況で、顧客主導のマーケット感覚がないとすぐに売れなく
なってしまうのですが、なんと、ほとんどのメガネ店は自分達の都合を優先しています。

もうひとつは、その逆。このくらいの価格なら買ってくれるはずだ、という値付けです。
昨今の 5,000円メガネはこの例です。売れないとあっと言う間に店舗が維持できなく
なるので、売ることが第一義になっています。

この両方に足りないもの。
それは、「何故、その価格になっているのか?」を説明していないことです。
メガネの価格は、相場があってないようなもの。店舗で完成品を組み立てる商品なので、
原則として同じ商品は存在しません。比較がしにくいので相場も作りにくいのです。
どのへんが適正価格なのか? 誰もハッキリ言えない状況です。

結局、価格と価格の比較になってしまいます。
つまり、「ソニーのテレビ型番***が、98,000円」のように、メーカーで価値が保証されて
いれば、10円でも安いほうが安いと言い切れるのですが、メガネには一般的な価値の
保証がないので、**用メガネがいくらとしか書けないのです。

価値を曖昧にしたまま売っている商品は、生鮮食料品など他にもありますが、
それでも「松坂牛・100g・500円」などの銘柄・量の表示はあります。メガネにはそれも
ありません。

現在はかろうじて、フレーム・レンズのブランドを価値基準の代用としていますが、これも
普遍的なものではなく、割引率が大きくなれば、逆効果も招きかねません。

本当に情けない話ですが、何が良くて、何が安いのかまったくわからない。
これがメガネの価格なのです。